「命を生み出したのが神様なのなら、
神様を生み出したのは神様の神様で、
神様の神様を生み出したのは神様の・・・」

と、空想を膨らませ
生命の存在理由を辿ることができず
一人怯えていたのが、
まだ家集合住宅に住んでいた小学生の頃だった。

かつて暇を持て余していた少年が、
今はカメラを握り赤の他人の裸体を撮っている。
生命の存在理由は未だに知る由もないが、
それは確かにここに存在し、
それぞれの生きてきた痕跡を身体に刻んでいる。

皺、骨、肉割れ、リスカ痕。
この世のすべての痕跡が
「それでも生きている。」と私に語りかける。

マヤカシばかりのこの世界で、
確かに安心感を与えてくれる
すべてのそれらを、私は愛する。
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